展覧会「リベルダージ:ディアスポラ、祖先、共存の地」(報告)
ブラジル・サンパウロの移民街「リベルダージ Liberdade」の歴史と現在を考える展覧会「リベルダージ:ディアスポラ、祖先、共存の地」を開催しました。
展示内容:写真・地図・資料・住民インタビューほか
企画構成:アウグスト・オヤマ(京大地球環境学堂人間環境設計論研究室修士M2)ほか
2024年2月10日(土)・11日(日)・24日(土)・25日(日)
13:00 - 16:30
2月25日(日)13:00〜14:30
企画者アウグスト・オヤマ Augusto Oyama とハルミ・ロペス・ヒガ Harumi López Higaによるトーク(通訳:若林リク)「リベルダージ:ディアスポラ、祖先、共存の地」について
場所:ノランナラン
「リベルダージ地区は、歴史的に辺境の地域でした。市の中心部と南部地域を結ぶ街道上に位置するこの地域は、「イブラブエラの小道」あるいは「サント・アマロへの車の小道」として広く知られています。
そして単なる通過する場所というよりも、この地域はいわゆる「呪われた」仕事場がモザイク状に混在していました。ゴミ捨て場であり、財産を持たない人々や裁判所から断罪された人々のための墓地であり、絞首台やさらし台の存在など、公開処刑や拷問の場でもありました。これらの公共施設は、奴隷制度(1550年から1888年まで300年にわたって続いた)がいかに恐怖と支配に基づいた統治であったかを示すものです。こうした抑圧の文脈において、この地区は「リベルダージ」(英語で「自由」)が喚起され、そう呼ばれるようになったのです。
最初に到着した日本人移民(1908年)の多くは、形だけの奴隷解放(1888年)後の黒人労働力の代わりになりました。少数の黒人のルーツを持つ者だけが抵抗しましたが、他の者は都市の再開発のなかで葬りさられました。」(展示パネルから)
アウグスト・オヤマ君によるトーク(2024/2/25 ノランナランで) |
スライドから |
インフォーマルな住宅の自己建設が多いという点は、東九条のかつての40番地を想起させます。ポスターにも使われ、地域のゴッドマザーとして親しまれているマドリーニャ・ユニスさんが1937年に現存最古のサンバ学校を開いて以来、サンバの音楽や祝祭文化が異なるルーツを持つ移民コミュニティをつないでいるというのは、東九条のマダンにも通じます。
リベルダージの歴史を掘り起こし、多様な民族的文化的背景を持つ人々の声を届ける今回の展示は、東九条に住み/関わる私たちにとっても、多くの考えるべきことを投げかけるものでした。
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