『貝殻をあつめる、道路に線をのこす』2025年(報告)
『貝殻をあつめる、道路に線をのこす』
"Collecting shells, leaving behind a trace"
京都市東九条にある、古い長屋を改修したオルタナティブ・スペース。
隣り合う二軒を会場にして、作家5名による現代美術作品の展示を開催しました。
会期中は作品に囲まれる中で3つのイベントを開催しました。
『貝殻をあつめる、道路に線をのこす』は、FLINTAの連帯に焦点を当て、それぞれの語りや活動からクィアコミュニティの散らばった実践の断片を拾い集め、形に残していくためのプロジェクトです。
今回はプロジェクトの一環として、トークイベント、ワークショップ、作品展示からなるイベントを開催しました。
FLINTAとは 、女性、レズビアン、インターセックス、ノンバイナリー、トランスジェンダー、エイジェンダー/アジェンダーの連帯を広げるための総称として使われています。
しかし、それぞれの当事者・コミュニティが異なる抑圧を経験しており、連帯は容易ではありません。
それでも連帯の可能性を探るための第一歩として、散歩の途中で貝殻を拾い集め、時には地面に落書きをしてみるように、集まって語り表現することを通してFLINTAの表現活動の断片を拾い集め、記録する一つの中継地点を開くことを試みました。
“Collecting shells, leaving behind a trace” is a project focusing on FLINTA solidarity. “FLINTA” is an umbrella term used to expand solidarity among women, lesbians, intersex, non-binary, transgender, and agender people. The idea behind this project is to gather fragments of scattered practices within queer communities from individual stories and activities, and shape them into lasting forms. However, since each person and community experiences different forms of oppression, one has to be aware of the nuances of solidarity in such a context.
As a first step in exploring the possibility of solidarity, we open a waypoint, a temporary site for collecting and recording fragments of FLINTA creative practices, through gathering, speaking, and expressing, as if picking up shells during a walk or sometimes doodling on the ground.
As a first step in exploring the possibility of solidarity, we open a waypoint, a temporary site for collecting and recording fragments of FLINTA creative practices, through gathering, speaking, and expressing, as if picking up shells during a walk or sometimes doodling on the ground.
会場アクセシビリティ:
会場1(Taroハウス1)のみスロープがついています。
イベント①②では手話通訳がありました。
それ以外のイベントではUDトークを使用しました。(リアルタイム修正なし)
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作品紹介
Misaki Okubo(おおくぼ・みさき)
「Hug」2025
壁にかかった布の作品は牛の乳房の形をしている。屋根裏のスペースには牛の顔を描いた小さな絵がかかっている。
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山もといとみ(やまもと・いとみ)
「周辺から見てみる、空白を探す:『愛知の女性史』」2023
「かわからうみまで」2025
板の間に地図の形のカラフルなラグマットが敷かれている。天井からは木の棒に下がったラグが吊り下げられている。
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美馬摩耶(みま・まや)
「反射」2025
「Affirmation」2024
お風呂場のあるスペースに吊り下げられた平面の作品。青いサイアノタイプで印刷された布と、鏡のような薄いフィルムが吊り下げられている。
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岩瀬海(いわせ・うみ)
「SRS シリーズ#01」2021
床の間に置かれた作品。分厚い木の枠の真ん中に皮膚のような質感のものが張られている。
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Moche Le Cendrillon(もちぇ・れ・さんどりよん)
「Naked Apron」2025
台所に置かれた作品。ガス台が置かれるスペースにモニターが置いてあり、アニメのキャラのお面を被った作者が映っている。白いエプロンと、皮膚のような質感の「反戦」という文字がタイルの壁に飾られている。
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イベント①
〈クィアな情報保障をつくる ―知る・考える・やってみる〉
第1部 講座視聴会 :アクセシビリティを知る
東京芸術文化相談サポートセンター「アートノト」が実施した、展覧会や創作活動におけるアクセシビリティについての講座アーカイブを視聴しました。
こちらの講座はYoutubeで視聴できるので、興味がある方はぜひご覧ください。
視聴動画: 東京芸術文化相談サポートセンター「アートノト」アクセシビリティ講座 2025
【創造活動におけるアクセシビリティとは(前編)】(レギュラー講座)
Youtubeリンク:https://youtu.be/3bBbllty0ig?si=zRV3IB91OjdiZgpt
第2部 ワークショップ:ことばでクイアに鑑賞する
司会:山もといとみ
アーティストによる作品解説とともに、その作品の視覚・音声情報を鑑賞者へ“クィアに”届ける言葉をさまざまな立場から共に考えることをテーマに開催。
・作品鑑賞や作品についての記録をよりアクセシブルにするには。
・クィアの表現において、表す言葉を脱規範化することの必要性。
などを参加者と共有しながら、視覚作品を言葉でどのように説明できるかを、一つ一つの作品ごとに考える場となりました。
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イベント②
〈クィア実践の交差点を探る~ドラァグクイーンとアートマネジメントの領域横断~〉
登壇:アフリーダ・オー・ブラート| 緒方江美
司会:Moche Le Cendrillon
ドラァグ・クイーンでありアートマネージャーのアフリーダ・オー・ブラートさんに、今の領域横断的な活動の形に至るまでの過程やドラァグシーンとの繋がりについてお話を伺いました。
当初は別々のものであった二つの活動が、ドラァグの活動場所がなくなるかもしれないという意識を持ったことから繋がり始めたことや、クィア文化の中で生まれた表現活動をマジョリティ向けに変形させることなく公共文化と繋いでいくことの重要性などをお話しいただきました。
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イベント③
〈トークイベント『アセクシュアル×イメージ研究おしゃべり会』〉
登壇:中嶋彩乃、チェン ルイジン(Chen ruijing)、
井ノ下朝陽、るいす、他一名
司会:Moche Le Cendrillon
他者に性的/恋愛的惹かれを感じないセクシュアリティであるアセクシュアル/アロマンティック・スペクトラム(Aro/Ace)とその表象や文化、歴史について関心を寄せ研究する方たちに登壇していただきました。
Aro/Aceについて話される場は増えてきましたが、概要の説明だけにとどまるものも多い中で、文化やコミュニティに焦点をあてて研究の現在地について共有できる内容を目指しました。








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