吉浦 嘉玲 個展「それぞれ『部屋』を仕立てる、 凝らしの細部・呼吸の熱.」 / 案内文章


こんにちは。この度「Taro house」二軒で個展・催しを行わせて頂きます、吉浦 嘉玲(よしうら かい)です。

本展示・催しは予約制です。予約の方法・展示の詳細はこのブログの掲載の展示情報《 ※ 》をご覧ください。


みなさまのご参加お待ちしております。



案内の文章: 


はじめましての方は、はじめまして。吉浦 嘉玲 (よしうら かい) と申します。京都の借家で作品を作っては、発表している者です。作品では食えてませんので、福祉関係のアルバイトをしながら生活しています。この度、京都駅近くの「二軒の長屋」にて個展を開催することになりましたので、ご招待させていただきます。


私がどういう作品を作ってきたかは招待状の裏にウェブサイトのリンクなどがありますが、見てもらえないと思うので少し話します。私、廃棄物の山につっこんだり、道端に転がっている不能そうだと思った日用品を棚に並べたり、エレベーターに偽のスイッチを設置してそれを押した人には飴をあげるなど、パフォーマンスや日用品を使って空間・状況を作品として作ってきました。最近では、踵や指を版にして版画をしたり、古い家財を解体して日用品を並べるための陳列棚を作ったり、建築模型を模して日用品をおままごとみたいに並べたり、気になる色や形や柄をグリッドの上に並べたり、ある配置に感心して目の前を写真におさめたりと、「 五種のシリーズ 」を主に作っております。最近は、湿度に興味があります。


今回ご招待する展示・催しでは、まず一軒目の長屋で自作の茶棚にてお茶を点前したり、作品・長屋の小話をしたり、私が一時間ほど鑑賞をおもてなしさせて頂ければと思います。ちょっとしたお土産もあります。二軒目の長屋は鍵を開けるだけです。ご自由に歩き回ってください。ただ、一度にたくさんの方をご案内するのが難しいので、5名の予約制とさせていただきます。



会場となる二軒の長屋は百年近く前に建てられたものです。最初に案内する一軒目は、井上明彦 氏がいっぱい動いて、建物の歴史を解釈しながら改修されました。 建てられた頃の百年前の土壁を掘り出し晒しつつ、化粧ベニヤや壁紙シールがベタベタと貼られた昭和風のダイニングキッチンはあえて残したり。たまたま床下で見つけ黒い土を壁に塗ったりしながら改修したそうです。そういえば、私は湿度とともに埃に興味があるのですが、彼もまた埃を探し求めて床を開けたときに、その土を見つけたらしいです。


もう一軒の長屋は、顔も知らない直近の住民の生活感が手つかずのまま残る長屋です。柄模様のガラス窓・ガラス障子が並んでて、畳、図柄のビニールカーペット、木の床間、ゴムのカーテンレールと透明フック、カラフルな石のあられこぼしと、アルミシート、が貼られたキッチンが行き交う内装です。小棚や収納も多いです。また前の住民の DIY ができるようになった感動か、色々な形や色の金属フックやピン、そしてガムテープが継ぎ目という継ぎ目にベタベタと貼られています。 


展示というと、なにやら小難しいような、センスやら個性やらを持ってきたり、作品を理解する必要がある気がするかもしれません。私にとって作品を作ることは、作者が自ら呼吸をするための空間・時間=「部屋」を作ることだと思っています。なので、僕のわがままを言わせてもらうなら、作品制作などに関わっている方も含め、様々な生活圏で過ごしている方にとりあえず見て頂きたいと思います。僕は少なくともこの長ったらしい文章を、ここまで読んでくれている貴方には来て頂けると嬉しいかもしれません。それでは会場で、当日お会いできるのを楽しみにしております。


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吉浦 嘉玲(よしうら かい)

instagram: @kai_yoshiura
website: kaiyoshiura.com







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